【アニメ感想】『86~エイティシックス~(1クール目)』まるで人権のない特攻隊?! 儚くも美しい少年少女の命のお話(ネタバレなし)~vol.2~

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あらすじ

 サンマグノリア共和国は、隣国の無人戦闘機械(レギオン)の侵攻に、共和国も無人機(ジャガーノート)で対抗してた。そのためサンマグノリア共和国では毎日「戦死者0名」のニュースが流れる。しかし、ジャガーノートは有人であった。その機体には、人権を与えられていない「エイティシックス」と呼ばれる少年少女たちが搭乗させられ、日夜戦いを続けていたのだ。そこで、精鋭部隊であるスピアヘッド戦隊の指揮管制官を任された少女レーナは「エイティシックス」に寄り添い、人として接しようとするが...

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感想

 このアニメはライトノベルが原作となっている作品であるが、私は原作を読んでいない状態でこの作品を視聴した。しかし、添付しているPVを見たときに「これは絶対に面白い!」と思い、放送前の特番を見たりPVを何度も見たりしていたため、完全な初見ではなかった。そのため、1話放送後に「専門用語が多い」とか「世界観が分からない」といったことは思わなかったが、Twitter上ではそのような声もあったらしい。個人的には2話3話あたりで、ある程度世界観は理解できると思った。

 

 一言でこのアニメの感想を言うと、「重い!だがそれが良い!」である(笑)。戦争や人種差別を取り扱っている作品であるので、もちろん多くの人が亡くなる。しかしエイティシックスたちは仲間が亡くなっても、「死」が日常となっているため泣くことはしない。そこがなんとも切なく感じた。日常パートで、トランプで遊んだり、バスケをしたり、恋バナをしたり、といった彼らの年相応(高校生ぐらい)の姿を見ることができる分、彼らの異常なほど身近な「死」に対する考え方は見ていて胸が痛んだ。

 

 特に後半は、新たな真実や登場人物の心の奥深くまで明らかになっていく上に、その心情描写の巧さが相まって、まるで彼らが実在するかのような感覚になった。「戦場にいっていた人はこんな気持ちなのか」と真剣に思った。

 

衝撃度

 ★★★★★

 生まれて20年近くたつが、アニメを見てこんな気持ちになったのは初めてだった。感想ではずっとストーリーについて述べたが、この作品はそれだけではない。作画、演出、音楽、声優とどれをとっても最高級だと感じた。戦闘描写の迫力はもちろん、登場人物の表情も細かく表現されていた。演出では、戦闘を行うエイティシックスたちと、それを指揮するレーナの二つの視点を巧みに利用することで臨場感を出していた。EDも背景や挿入のタイミングが毎回変化するなど、とてもこだわりを感じた。

 

 個人的には直近1年のトップといっても過言ではないレベルの作品と言える。ちなみに推しはカイエである。

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  2021年10月から第2クールが放送される予定である。是非それまでに第1クールを見終わって欲しい。2021年秋アニメは本当に楽しみ過ぎる。

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